シンプルで本格派、ビジネスデザインの新機軸

匠Methodを知りたい

1-6. 価値創造サイクルとは

匠Methodの価値創造サイクルとは何ですか?

匠Methodは価値創造を行うための手法としてデザインされています。
通常、事業計画(「実施サイクル(PDCA)」と呼びます)の前に事業企画がありますが、事業企画はこれまで個人のスキルとして閉ざされていました。
そのため、多くのITシステム開発プロジェクトでは、前年度の実績【D】をベースとした計画【P】先行型のプロジェクトとなってしまい、事業企画が疎かにされてしまっています。その結果、プロジェクトがこれまでのビジネス慣習から抜け出せずに新たなIT活用を見出せなかったり、ビジネス価値を見失った計画を立ててしまうことが多くなってしまいます。

匠Methodでは新たな価値観を持ってビジネスをデザインするための知識体系を提唱し、この事業企画を創る活動を「価値創造サイクル」と名付けました。(図1, 図2)
この知識体系により、上記のような事業企画における問題を解決し、事業企画活動を真にビジネス価値を獲得するための活動とすることができるようになりました。

図1 匠Methodの知識体系
「価値」… ステークホルダ(利害関係者)の価値と、自分達の強みの2軸で価値をデザインします。
「要求」… 要求とは、プロジェクトで行うべき課題を要求と言います。
要求は、戦略要求、業務要求、IT要求(必要時)があり、その3つは、ツリー構造で表します。
「業務」… 現状業務の姿とあるべき業務の姿を描いたものです。
「活動」… 行動可能なアクションと、期日、達成指標を定めるものです。
これが、実施サイクルのP(プラン)となります。


図2 価値創造サイクル

価値創造サイクルは知識体系で定義された「価値」「要求」「活動」「業務」の4つの領域を相互に干渉させながら事業企画を行う仕組みです。
4つの領域を行き来することにより、事業企画の精度を高め、効果的な計画作成ができ、事業の成功への近道を通ることができるようになります。

次に、新しい時代の価値創造サイクル「実施サイクル内包型価値創造サイクル」をご説明します。


実施サイクル内包型価値創造サイクル

昨今の事業企画の中にはITシステム開発が含まれることが多くなりました。
最近では、Salesforce.comのようなクラウド型の高速開発基盤が増えてきており、 ITシステムの開発(実施サイクル)からデリバリーまでがかなり高速化されています。

このような基盤を効果的に活用することで、価値創造サイクルの中でITシステムの開発を行うと同時にビジネスでの活用検証を行えるようになります。
このスタイルのことを「実施サイクル内包型価値創造サイクル」といいます。
「実施サイクル内包型価値創造サイクル」によって、ビジネス価値のデザインとその価値の検証を同時並行的に進めることができるようになり、ビジネスやサービスのスタートアップに飛躍的な効果をもたらします。

図3 実施サイクル内包型価値創造サイクル

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